読んだことはないけど、宮本武蔵の「五輪書」の中には、「観の目、見の目」というくだりがあるらしい。言い替えれば、「心の目、肉体の目」ということであろう。宮本武蔵は、剣豪であるだけではなく芸術家でもあり、作品が残されている。
写真は、言うまでも無く現実の事象を撮影するものだ。
「オレは、念写が出来る!」とか「心霊写真はどうなるのか?」っていう人は、方向性が違うので、別のブログを読んでね♪
それにしても、今の時代。。。。
念写や心霊写真も、デジカメで行うのだろうか?
閑話休題
現実に目の前にあるものしか撮影することはできない。しかし、現実のままに作品を仕上げる必要もない。とは言え、普通に撮影してプリントしても、既にモノクロームというだけで現実のままではないし、カラーで撮影しても現実どおりとはなかなかいかないのだが。。
昨夜の暗室でつくづく思ったのは、「撮影したときの風景にとらわれてはいけない」ということだ。暗室に入ると、そこにはもう、イメージ素材はネガしかないのである。そのネガから、どのように作り上げるかだけが問題なのである。
撮影した時は、夕日が沈んだ後の琵琶湖畔なので、辺りは薄暗く、残照がわずかに照らすだけの状態であった。そんな光景が頭にこびりついていた。2号でストレートプリントしたが、現実の風景からそのまま得られるイメージというのは、とてもつまらないなと思った。
撮影時には、僕の場合、完成プリントまで思い描くということはない。現実の撮影対象に対して、構図と露出を決定(単にEV値を求めるわけではない)するのみである。段階露光で保険もかけておく。あとは、フィルターくらいかな。現場でするのは、それだけである。全てのフォーマットを持ち歩いているわけではないので、6×9で撮影して、後で6×6にしようというような事は、脳裏に思い浮かぶけど、まずは6×9でフレーミングしてみる。暗室でテストプリントして気に入らなければ、トリミングするだけである。
そんな状態なので、絵作りは暗室で行うのだ。暗室で現実により近いイメージを再現するのではない。ネガから絵を作るのである。そんなわけで、いろいろとやってみる。湖を2号のまま黒く焼きこんだらどうか。やってみて、イマイチ。じゃあ、5号でもっとどす黒くしたらどうか?やってみて好みじゃない。そもそも、黒くしようとしたのが間違い。2号でノーマルなグレーにしてみる。なんかネムイ感じがする。じゃあ3号でコントラストを上げよう。やってみたが2号と大差はない。4号で硬目に白っぽく仕上げたらどうか?やってみたら、意外にもこれが一番という結果。
あっちうろうろ、こっちうろうろで、今のところは時間をかけて1枚を仕上げるしかない。結局、仕上げるのに4時間もかかってしまった。
そんなわけで、撮影現場では「見の目」、暗室では「観の目」に比重を置いて作業すべきである。
ケントメアのバライタのウォームトーンの印画紙って、もう手に入らないっていうのは残念だ。生産中止ってことは、温黒調って、巷では人気がないのかな?
以前、バライタはレンブラントばかり使っていた。価格を考えると気軽に使えなかった。ケントメアは、安価で品質も充分なので、ありがたい。テストプリントでどんどん消費しても怖くはない。次回購入するとしたら、ケントメアの純黒だろうな。半光沢か光沢かは、悩ましい。
調べたら、サイバーグラフィックスって、今、セールやっている。今のうちに買っておいた方がいいかも。